はじめての哲学
石井郁男
アインシュタインTVの最終回「神」を見て哲学について調べるために読んだ。
———-
孔子の人生論
15:志学
30:自立
40:不惑
50:知命
60:耳順
70:従心
文明が発達した理由
定期的な大河の氾濫:天文学、測地学が発達
———-
タレス
万物の根元は水である
ギリシアの七賢人
幾何学の五定理
エジプト人
太陽暦
洪水の周期=1年=>365日
———-
ソクラテス
無知の知
自分の無知を知っている
著書は一冊もない
弟子のプラトンらによって伝えらる
世間の人々は知らないことでも知っていると思っている
問い詰められてようやく知らなかったことに気づく
問題の答えは人から教えてもらうのではなく、自分で発見することが大切だ
「悪法も法である」として不正な死刑を受け入れて亡くなった
———-
プラトン
善悪二頭立ての馬車
人間は善と悪、二頭の馬を魂という御者があやつっているようなもの
ソクラテスの弟子
アリストテレスの師匠
アカデメイア学園を開く
国家論、洞窟の比喩、イデア論
「饗宴」哲学の最初に読むべき本
幾何学的思考
まず前提条件を確認し、わかっていること(前提条件)から順に分かっていないことを推理していく
イデア
・イデアは現象の本質
・イデアは現実にくらべ、高い理想という価値をもったもの
・個々の特殊な事物に対して、イデアは一般的な概念を意味する
真の認識とは
理想と現実を区別し、現実を認識した上で理想を追求しなければならない
可視界:目耳によって認識される、現実
可想界:頭脳によって認識される、理想
———-
アリストテレス
万学の祖
古代最大の学問体系を樹立
カテゴリー
動詞(カテゴレオ:述べる)から名詞(カテゴリアイ:述語の基準)という新しい学術用語を作った
動植物の正確な記録法のための10のカテゴリ
実体、量、関係、場所、時間、位置、状態、能動、受動
すべてのものは変化する
変化は生物と無生物で異なる
生物は内部に変化の原因がある
無生物は外部の力によって変化する
形而上学
———-
ベーコン
ルネサンスの三大発明をまとめる
印刷:学問を変えた
火薬:戦争を変えた
羅針盤:航海を変えた
4つのイドラ
イドラ:正しい認識の妨げになる先入観
種族のイドラ:人類共通の心のゆがみ
洞窟のイドラ:個人の生まれや教育、性格によるゆがみ
市場のイドラ:話しているうちに言葉に踊らされるゆがみ
劇場のイドラ:これまでの哲学、虚構の作り話
帰納法
経験、実験から得た多くの事実を加工・変形させて、法則結論を導き出し、新しい真理を発見する
———-
デカルト
我思う、ゆえに我あり
既知数をabc、未知数をxyzとした
複数人の考えでは雑然とする
一人が考えれば整然とする
そのためにはゆるぎない絶対信頼のおける出発点が必要
「我」は確かに存在する。我を出発点にする。
二元論
我は精神と物質からなる
世界を精神と物質の二つに分断
どちらを主に考えるかによって、唯物論と観念論にわかれる
デカルトの方法論
・絶対確実なものだけを出発点とする
・考える対象をできるだけ細かく分割する
・簡単なことから難しいことへ順番に解決していく
・最後に再点検し、間違いないか確かめる
目の前の困難に立ち向かうためには
自らの目指す目的は実現されるという「希望」をもち
さらには「確信」を持つことが必要である
———-
カント
哲学の勉強には旅行記
世界中の人々を知ることが大切
人間とは何かを具体的に知ることがすべての学問の出発点
カントの認識方法
・出発点は人間の見ようとする意欲である
・認識の対象に時間と空間の網をかける
・因果律を突き止める
二元の認識は「直感」に始まり「概念」に進み「理念」となる
———-
ヘーゲル
否定なくして発展なし
弁証法
・テーゼ(Aが主張する)
・アンチテーゼ(Bが否定する)
・ジンテーゼ(A+B、止揚する)
「否定」が弁証法発展の原動力である
Aだけで安易に流れることを防ぎ議論を深める
偉大な精神が現実に働きかければ、現実が変化する
人間の認識基盤は時代によって変化する
———-
ショーペンハウエル
意思がすべての源泉だ
この世は苦の世界、人生は悪の集団の戦いの場である
抜け出すには芸術に没頭するか宗教的な解脱しかない
しかし、現象としての世界の本質は意思である
意思は盲目的であり非合理である
人間の言葉・行動の源は意思である
———-
ニーチェ
小児の無垢の心
ショーペンハウエル「意思と表象としての世界」をきっかけに哲学へ
普仏戦争
ドイツとフランスなのに普仏というか
当時のドイツは30からなる小国の連合体だった
その中の中心的存在がプロイセン(普)だった
「ツァラトゥストラはかく語りき」
ツァラトゥストラ:紀元前7から6世紀の預言者
無数の比喩、散文詩ふうの教説による聖者伝説
精神の三様の変化
まずラクダ、次に獅子、さらに小児。小児の無垢こそすべての発展の原動力
———-
ダーウィン
種の起源
人間の成長の三段階
・少年時代:好きなことに没頭する
・青年時代:得意分野に育て上げる
・将来:誰にも負けない特異な人物になる
日記を三年間続ける者は大物になる(原敬・首相)
ダーウィンは緻密な観察記録を5年続けた
激しい生存競争で生き残るものは
強い優秀なもの、環境に適合したもの
赤面は最も特殊で人間的なものである
若者は老人より赤面するが子供のうちは赤面しない
———-
マルクス
哲学は解釈でなく変革だ
労働者は自らより大きな価値を生産する唯一の商品である
労働者は剰余労働によって剰余価値を生み出す
階級闘争によってのみ社会は変革できる
・古代社会:奴隷主と奴隷
・中世の封建社会:封建領主と農奴
・近世の資本主義:ブルジョア(資本家)とプロレタリア(労働者)
史的唯物論(唯物論的歴史観)
・社会は、経済的土台に政治法律などの上部構造がある
・生産力が社会発展の推進力である
・経済の発展が邪魔されると政治革命が起こる
———-
デューイ
多様性こそ進歩の原因である
プラグラティズム哲学
理論からではなく、実験・経験を重視し、すべて試行錯誤であって当然という哲学
教育の三要素
活動、過程、成長
教育とは、未熟な経験を、知的な技術と習慣を備えた経験へ発展させること
人間は様々な経験を通じて知恵がつき、創造力を発揮できるようなる
学校は理想の社会のモデルであり、社会改造の母体となる
教師の役割は案内役、協力者である
孫文の三民主義
民族、民生、民権の尊重:広い国土と様々な民族をまとめる思想
中国は単一民族ではない(朝鮮、モンゴル、ウイグル、北京、上海、広東、雲南、チベット人など多民族である)
言語も北京語、上海語、広東語がある
中国もアメリカも人種のルツボであり、ひとつの方式だけでは物事を処理できない
社会を組織するには
共同の目的を意識し、興味を持ち、それによって各自の行動を整える
———-
サルトル
自らを未来に向かって投げよ
実在は本質に先立つ
実在は主体性である
実在には不安、頼りなさ、絶望をともなう
———-