腸と脳
体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか
腸、腸内微生物、脳の緊密な連絡、
平均寿命と生活の質が反比例
腸内微生物は、基本的な情動、痛覚感受性、社会的な振る舞い、意志決定にも影響
内臓感覚に基づく判断
人生を左右する判断を下す際は、腸と脳の複雑なコミュニケーションが関与する
内臓刺激:満腹感、吐き気、不快感、満足感
内臓刺激→内臓反応→内臓感覚
内臓感覚は記憶され、何らかの判断の際に参照される
30億年、地球上に存在する生命は細菌だけだった
人体は微生物の乗り物にすぎないのか
微生物は脳を操作し、自分たちに都合の良いものを食べさせているのか
・微生物の進化の話「失われてゆく、我々の内なる細胞」マーティンブレイザー
腸と腸内微生物と脳は、共通の生物言語を用いて対話している
これまで脳にしか存在しないと考えられてきたセロトニンが、腸の特殊な細胞に体内の95%も含まれていることがわかった。
この細胞は、食べたものや腸内微生物が生成する科学物質、情動状態を伝達する脳からのシグナルなどに影響を受ける
またこの細胞は脳の情動中枢に繋がる感覚神経と密接に結びつく脳腸相関の重要な構成要素
味覚の生理学
何を食べているかで、どんな人物か分かる
人はつねに腹部に情動を感じる
脳と腸は独自の非常に強い結びがある
腸の働き
食べ物を飲み込む前から、胃は濃塩酸で満たされる
食べ物が胃に達すると、強力な研磨で細かな粒子に粉砕
胆嚢と膵臓は、脂肪の消化を助ける胆汁や消化酵素を注入
つぎに小腸で、消化酵素と胆汁で分解された栄養素を吸収
腸壁は、蠕動(収縮運動)で食べ物を下方に運ぶ
大腸では、強力な波状の収縮運動で水分の90%を吸収し、直腸に押しだし排便される
腸は次の消化まで、異なる波状圧力で食べ物の残骸を排出
この運動は90分ごとに生じ、食道から直腸に向けて降りていく
この運動は睡眠中など消化すべき食べ物が残っていないときに作用し、食べ物を口にするとただちに停止する
これらの作業を脳や脊髄の助けを借りず、腸管神経系が担当する。この食道から直腸にいたる神経細胞のネットワークは第二の脳である
味覚
甘い、苦い、塩味、酸味、旨味
口内だけでなく消化管全体にある
消化管は栄養素やカロリーを吸収するだけでなく、栄養分を分析し消化に必要な情報を引き出している
すべての病は腸からはじまる
原始的な神経系は消化器系外の精巧なネットワークとして発達、このネットワークは腸管神経系と密接な関係にあるが分離しており、シグナル交換のメカニズムを備える、さらに進化したネットワークは中枢神経系て発展、脳を指令部とする
マイクロバイオータは、人間の基本的な構成要素のひとつであり、感情、直感的判断、脳の発達、老化にも影響する
あらゆる心の病は、幼少期に潜在意識のもとで受けた、未解決の身体的、心的トラウマに起因する
・才能ある子のドラマ 真の自己を求めて アリスミラー
前頭前皮質は、産まれ持った神経回路の働きをくつがえし、新たな行動を学ぶ能力がある
女性のほうが、自分の内臓感覚に敏感で直感的な判断を下すことに長けている、身体的な違いも影響
睡眠中は脳の運動領域が麻痺状態になる、だから夢を見ていても体は動かない
食は、世界中どこでも社会生活の中心にある
・これ食べていいの? 食を選ぶ力 マイケルポーラン
情動の状態は、脂肪分や糖分の摂取と密接に関連する
現代の食生活は急激に変化し、人間の生物としての進化はその変化に対応していない
最適な健康状態:身体、心、情動、精神、社会的な関係が健全で、活力にあふれ、適切に行動し、高い生産性を維持している状態
腸内微生物の多様性は、安定性と回復力を持つ
マイクロバイオームの最適化は、食事だけでなく、身体や心を含めた生活全体によって形成される
改善方法
自然で有機的なマイクロバイオームを育成
動物性脂肪を控える
腸内微生物の多様性
大量生産された加工食品は避ける
発酵食品やプロバイオティクスをとる
妊娠時は栄養とストレスに留意
食べ過ぎない
断食で腸内微生物を飢えさせる
ストレス、怒り、悲しいときは食べることを控える
皆で食事を楽しむ