帝都物語
荒俣宏原作のSF小説。明治から近未来の東京を舞台に、呪術を駆使して東京を壊滅させようとする怪人・加藤保憲と、その時代の文豪・幸田露伴、寺田寅彦、三島由紀夫などが対決する物語です。おかげで近代日本史と文学に多少なりとも興味を持ち、渋沢栄一の伝記や泉鏡花の『高野聖』を読むきっかけになりました。SFオカルト的な面だけでも面白くて、「フランフォーファー線の曇り」「永遠の満月の方程式」など、目次のタイトルだけでも内容が気になり、一気に読みました。
「魔王編」では加藤はちょっとお休み中で、昭和11年の2・26事件が主題になり、北一輝、高橋是清、甘粕正彦、石原莞爾などが登場するという場面もあります。
著者は最近、コメンテーターとしてよくテレビに出演していますが、小説のほうもまた書いて欲しいです。