お前なんかもう死んでいる

人気絶頂から一発芸人並みにどん底に落ち、それでもなんとか這い上がってきた有吉の自伝。
ちょうど絶頂期も這い上がってくる時期もテレビで見ていた

いつの時代も一発芸人がいる。
何かのきっかけで売れると、次から次へとテレビに引っ張りだこになる。でも本人も視聴者も「ああこの人気は1年だな」なんて思いながら見てる。そして来年にはテレビでその他大勢の中でしかみかけないようになり、いつの間にか忘れ去られ、あの人は今、となって二度と浮上できない。これが普通の一発芸人で、再浮上してきたっていうのはほとんど記憶にない。この本の著者である有吉以外にいるんだろうか。
有吉も立派な一発芸人だと思われていた。
2014年現在こそ、あちこちのテレビ番組で見かけるが、1996年にブレイクして以来1998年あたりから2010年あたりまで10年以上はどん底の生活していたのでは。
そんな有吉が経験した天国と地獄、そしてまた這い上がるまでの体験が綴られている。

有吉弘行、1996年にお笑いコンビの猿岩石として海外ヒッチハイクで一気に有名になり、それまで5万円だった月収が数千万に。
それが4年ほどで月収ゼロにまで落ち、10年以上かけて再びテレビで活躍。
一度落ちた芸人が再浮上するのはなかなか難しい。それをやってのけた有吉は、どんな心境でどんな生活を送っていたのか、誰でも気になるところ。
この本には誰もが知りたかった当時の様子が描かれてます。読んでみて、ちょっと卑屈だったりネガティブな面が強すぎるけど、だからそれが功を奏したという面もあり、ごく普通の生活を送っていると思いつかないような視点もあり、軽く読んでみるには面白いかも。
間違ってもこの本を読めば現状を打開して、今の状態から這い上がれるとは思えません。
面白かったのは一発芸人が芸人として再浮上するというのがいかに難しいかということ。
有吉も最初のブレイクは芸人としてよりもタレントや歌手という面が強かった。現在の二度目のブレイクは芸人としては初めてなんだということ。
そう考えると鉄拳なども最初は芸人としてブレイク、次のブレイクはイラストレーターとしてだなぁと思う。
ダチョウ倶楽部の上島竜平の話題も出てくる

1996年 テレビ番組『進め!電波少年』で香港からイギリスまでヒッチハイクする企画で一躍有名に
1997年 日本レコード大賞受賞
1998年 人気が低迷。レギュラー番組などが減ってくる
2001年 「手裏剣トリオ」に改名するも結局もとの名前に
2004年 解散

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