ファスト&スロー(上)
以前に読んだけどまとめてなかったのでもう一回読んでみた。
システム1
自意識することも努力も必要なく自動で高速に処理
システム2
計算や選択などで注意を割り当てる、主観的経験と関連、注意がそれると上手くいかない
注意は限られている、限度額が決まった予算
集中していると他のことはわからない
バスケットのゴリラ
システム1は印象、直感、感覚をシステム2に供給、2がOKすると確信や意志的な行動になる
どちらも常に楽に思考したがる
システム1にはバイアスがある
瞳孔は魂の鏡、知的努力を示すバロメーター
システム2はタスク設定ができる、しかしタスクを短期(瞬間)に切り替えることは困難
システム2が忙しいとシステム1にも影響する、利己的になり、表面的な判断をしやすい
システム1の反応は止めたくても止まらない、自動で発動してしまう
連想の原則:類似、時間と場所の接近性、因果律
プライミング効果
直前にうけた刺激が後の連想につながる、意識していなくても影響を受けることがある、行動からも影響を受ける
認知容易性:慣れ親しんだものが好き
繰り返された経験、見やすさ、機嫌がいいとき、は認知が容易で、親しみ、信頼感、快適、楽に感じる
見覚え聞き覚えがある、という感覚は強力な過去性を帯びている
(どこかで見たことがあるような、新しいデザインがいい)
説得力のある文章を書くには、認知負担を減らす
文章をシンプルにしたうえで、韻をふんで覚えやすくする
認知しやすい、発音しやすいと気分がいい
単純接触効果は意識せずとも効果がある
創造性とは、素晴らしくよく働く連想記憶にほかならない
直感は気分によっても左右される
コミュニケーションがとれるのは、前提条件を共有しているから
システム1が瞬時に判断している
しかし思い込みや勘違いにもなる
人間は、物理的な因果関係と意志的な因果関係を区別する
明示的な文脈がない場合、システム1はありそうな文脈を生成する
曖昧さ、無視、疑念の排除
システム2が他のことにかかりきりのとき、私達はほとんど何でも信じてしまう
システム1は信じたがる
システム2が監視するがだいたい怠けている
一貫性のなさは不安で不快にする
判断と選択に影響するバイアスは多様:自信過剰、フレーミング効果、基準率の無視
システム1は、異なる次元の度合いをそろえるレベル合わせができる
別のものに例えたり、異なるものを比較できる
システム2はシステム1の提案を判断し自己批判できるが、感情がからむと擁護にまわり、保証人になってしまう
システム1の特徴(写真)
ホットハンド(スポーツ選手の調子の良さ)はランダムにおこる成果の偏り、同じように調子の悪いときがある
アンカリング効果
未知の数値を見積もるとき、その前に何らかの数値を示されると影響を受ける
判断や選択はシステム2だが、記憶からデータを呼び出すのはシステム1、アンカーは特定の情報を呼びだしやすくする
ヒューリスティック
困難な質問に対して、不完全でも答えを見つけるための単純な手続き
人が流されやすいとき
・別のタスクを行っている
・楽しいことを思い出したばかりで機嫌がいい
・気分が落ち込んでいる
・直感を信じる傾向が強い
・権力をもっている
システム1の働きを優先している
代表性ヒューリスティック
数字や確率よりも、一般的な印象との類似性で判断してしまう
判断は早い
自分が見たのも、に連想一貫性が重なると、自分で作ったストーリーを信じやすくなる
もっともらしさ、による錯誤
高価な商品に安物のオマケをつけたところ、全体が安っぽくなってしまった
ただの統計データを見せるより、代表的な事例でシステム1に働きかけるほうがいい
平均への回帰
一時的な成功や失敗も、長期的に見ると平均に回帰する
人は因果関係を見つけたがる強いバイアスがかかっており、ただの統計はうまく扱えない
システム1の作用はものごとを、現実と関係なく、整然とし、単純で、予測可能な、首尾一貫したものとしてとらえる
こうした錯覚は心地く、人々は勇気づけられるメッセージを必要としている
このニーズに応えるのがビジネス書
成功は運
成功したことの説明は後知恵
自信過剰
自信は感覚、情報に整合性がある、情報処理が容易である、からにすぎない
頭のなかでつじつまの合うストーリーを作っただけ
スキルの錯覚
自分または自分達のスキルに対する過信、錯覚
これらに対して業界の大前提に疑義を呈し、生計手段や自尊心を脅かすような事実は決して受け入れられない、脳が消化できない、特に能力や実績の統計など
大方の人は未来など予測不可能で、過去についてつじつまの合う解釈をし信じ込んでいるだけ
歴史の行進:過去の出来ごとは秩序や方向性があり、説明できると考えている、しかし大方は予測不可能で運次第
アルゴリズムと直感
人はプログラムより人間、人工より自然を支持する
しかし、直感よりもアルゴリズムやデータのほうが正確
判断には感情を持ち込まない
データを冷静に分析したうえで、最後に直感
・錯視の科学
・決断の法則 ゲーリークライン
・行動意志決定論 バイアスの罠
・ブラックスワン タレブ
・アナタはなぜチェックリストを使わないのか 重大な局面で正しい判断をする方法