食堂かたつむり感想

映画『食堂かたつむり』の試写会に行ってきたので感想を。


一言でいうと、邦画らしい秀作。

“生きることは、食べること“をテーマに
「いただきます。
 ごちそうさま。」
が、今よりチョットだけ心を込めて言えるようになる映画です。

母娘の関係を主題にしていたようだけど、個人的には料理を“作る、食べる”といったところが印象的でした。


倫子(柴咲コウ)が台所での料理を始める姿は、フェルメールの絵画のような、ちょっと神聖な雰囲気。
食材を前に、じっと目を閉じている倫子はどんな事を考えているんだろう、食べる人と食材をどんな風にイメージしてるんだろう、と想像させられます。

言葉がしゃべれない倫子だからこそ、かたつむり という自分の食堂で料理を通じて思いを伝えられるのかもしれません。
買っていた豚のエルメスをあっさり食べてしまうシーンは、以前に見た映画『ブタのいた教室』とは正反対。生き物を食べるのは当たり前で、残酷とは絶対に言えなくて、そのかわり「食べる」ことに感謝したくなります。

本来の主題にしかたったらしい母娘関係は、ちょっと印象が弱かった気がします。

オカン(余貴美子)の倫子に対する愛情の不器用さが見え過ぎて、観客としては倫子が嫌うほどオカンへの嫌悪感が持てず。
客観的は見やすいけど、感情移入したい人にも物足りないかも。

オカンに対する感情が倫子の同じように感じられたら、後半もっと感動できたかな。と言っても、オカンからの手紙はやっぱり“泣きどころ”

もう少しオカンのバックグラウンドをしっかり見せて欲しかった。

作品としては、ほのぼのして笑える場面もあって、感動できる秀作です。

ポルノグラフィティの歌う主題歌『旅せよ若人』も初めて聴いたけどいい曲でした。
作曲は浜田省吾なんですね。

『食堂かたつむり』を見て、食べ物にスポットを当てた映画『かもめ食堂』も、もう一度見たくなりました。

■かたつむり 食堂メニュー
おばあちゃんのぬか床/エルメスのためのパン/熊さんのためのザクロカレー/お妾さんのためのサムゲタンスープ/桃ちゃんのためのジュテームスープ/おじさんのための洋ナシのサンドイッチ/おじいさんのためのお子様ランチ/ウサギのためのビスケット/ネオコンのためのお茶漬け/披露宴のためのハムとテリーヌ

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