羽生善治インタビュー
プレジデントオンラインの記事を読んだまとめ
http://president.jp/articles/-/14033
■「こうすればうまくいかない」と知っている
初に局面全体の方向性を大ざっぱに、感覚的にとらえて、そこから細かいところをロジックで詰めていくというプロセス。
最初の段階である程度「こういう方向性でいこう」とか「とりあえずはこの手で」というのを決め、ポイントを絞ってそこに集中する。「見切りをつける」
「これをやったらうまくいかない」ということを、いかにたくさん知っているかが大切
取捨選択の捨てるほうを見極める目が、経験知で磨かれる
■未知の局面に出合ったときの対応力
「知って学ぶ」環境については、今のほうが圧倒的に恵まれている
一方で、自分の頭で考え、課題を解決していく時間が少なくなっていくことでもある
車のスピードを上げると視野が狭くなり景色がみえなくなるように、
ITなどものごとの処理速度が上がった分、途中のプロセスが省かれ見えなくなる。
将棋が強くなっていくプロセスは、いかに考えずに指せる手を増やしていくか。
ただし、考えずに省略してきた部分の中に新たな可能性もある。
どういうプロセスを経て結果が組み上がってきたのかを知るのはとても大切。
アナログで育った世代だから、基礎や土台のつくり方を見ているし、大変な労力と時間を使って自身でつくってきている。私たちの世代の強みかもしれない。
とすれば、今の自分がどういうプロセスでここにいるのか、過去の何が今の自分の成果につながっているのか、といったことを再検証してみるのも、今後の自分を考えるうえで有効な勉強の一つになるのではないか。
■コンピュータとプロ棋士の勝敗にあまり意味はない
コンピュータ将棋は過去の膨大な棋譜をベースとしていて、1秒間に何百万回という計算力は人間には絶対真似できない。
しかい人間ならこうは指さないという手をしばしば提示する。人間の思考の死角、盲点を突いている。そこを掘り下げることで新しいものが出てくることもある。
人間同士の対局が、コンピュータ将棋のような指し回しにならないのは、心理的な要素が働いているから。
コンピュータ将棋のように、その瞬間瞬間に対応しているのではなく、互いにこう指したいという大局的な意図が先にある、そこに駆け引きの妙味も生まれてくる。
人間の心理から外れた将棋ソフトならこの局面をどう判断し、どんな手を繰り出すのか。
そうした一手を、人間的な思考プロセスで再現するにはどうしたらいいか――コンピュータ将棋はそういった“貴重な意見”を提示する存在。
■「羅針盤の利かない」状況にわざと身を置く
人間が本来持っている「野性の勘」を大切にしたい
勘を磨く習慣やトレーニングが必要
今はそういう機会は意識的につくらないとなかなかありません。